*昨日思ったこと


昨日のお昼休み、弦巻楽団さんの『出停記念日』配信公演を観た。
何度か公演でお世話になっている弦巻楽団さん。
来月も『果実』でお世話になる。



現在、4日まで新札幌のサンピアザ劇場にて『出停記念日』の公演を行っています。




昨日の配信は、劇場からの無観客生配信。
お客さんも入れる本公演はだいぶ席を間引いているのもあり既にチケットは完売。
結局都合がつけられなかったわたしは、配信もしてくれるの有難いな〜と思いながらPC前で待機。

音楽が消えて、画面が変わって、明転すると舞台。






ああなんだか。鳥肌が立った。




画面越しではあるけれど、
画面の向こうには実際の劇場があって、
そこでは今この瞬間に、
舞台の上に役者が立っていて、
演劇が行われている。




涙が出そうになった。
わたしの好きな瞬間だ。空気だ。
自分がこんな気持ちになるなんて全く予想してなかった。




何度か誰かに話したことがあるけれど、小さい頃のわたしはそれはもう人見知りで引っ込み思案で、まさかこんな風に表へ立つようになるなんて欠片も思わなかった。(今でも人見知りだしビビリだけど!)
けれど母が、好きなのか何故なのかはわからないけど、たまにミュージカルへ連れて行ってくれた。



明るいロビーより少し照明を落としたホール。
既に席へ着いている他のお客さんの、サワサワとした控えめなお喋り。
ああわたしは、とくべつな場所へ来て、これからとくべつなことが始まるんだ、と、幼いながらにドキドキした。少し大人になった気がして、緊張した。


思えばその頃から、劇場の「空気」が好きだった。


実際に劇場へ足を運んで、目の前で舞台を目撃するのとはやっぱり桁違いだろうけど、それでも昨日の生配信でわたしはその「空気」を感じた、感じてしまった。





ああやっぱりすきだなあ!




演技も決して上手くないし、魅力とか個性とかそういうのを考えてはずーっと唸ったり転がったり落ち込んだりした(してる)けど、10年ここで過ごしてきた。
諸先輩方に比べたら10年なんてまだまだだけど!
お前如きが何を偉そうにって感じだけど!



今は劇場で観劇するのが不安な人の気持ちもわかる。
見えないもの、よくわからないものは怖い。確証もない。
自分だけの問題ではないし、自分だけではどうにもできない。


ただわたしは、劇場が好きだった、そうだ、たまらなく好きなんだった、あの空気が。




音楽が上がっていって。
呼応するように光が落ちていって。
暗闇と一瞬の静寂、胸が高鳴るあの感覚。
舞台上と客席と、劇場に集まった人が同じ一つの大きな船に乗って飛んでいるような。
目の前でこの瞬間に、細胞分裂するように生まれ続けている世界に身を委ねるような。




有難いことに色んなことをやらせていただいてるので、たまに「本当にやりたいことって何なの?」って聞かれることがある。






舞台です!!




ナレーションやモデル(おこがましい)とかも勿論好きだから、楽しいからやってる。
嫌々やってることは一つもないです。
わたしの好きな映画『かもめ食堂』でも、サチエさんの「やりたくないことはやらないだけなんです。」って台詞が好き。
不器用なもので、いつでも難しく考えすぎるわたしはシンプルなその言葉に馬鹿みたいに、打たれた。



話がすごくほうぼうへ飛んでゆく。

だから結局何が言いたいのかというと、早く世の中が落ち着いて、やる方も、観る方も、みんなが安心できるようになるといいよね。
結局、結局そこなのよね。





今日は随分詩的に書いちゃった。
あの衝撃を残しておきたくて、心のままに。
拙文ごめんなさい。ブログはつい書きすぎちゃう!



弦巻楽団さんの『出停記念日』は明日で終わりですが、劇場では検温、消毒、換気、席の間隔を空ける、お見送りは控えるなど出来る限り対策をされているそう。
動画もまた改めて公開されるそうです。
是非沢山の方に観ていただけますように。
そして劇場での公演も、何事もなく無事駆け抜けられるよう祈っております!


弦巻楽団公式サイト→
https://www.tsurumaki-gakudan.com/


2 COMMENTS

石田正浩

奈緒美さんの「果実」を観るのは、今度の公演で2度目になります。
今からとても楽しみにしておりますよ!

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BB

ほんと、仕事って楽しくないと続かない。
確かに、いろいろな事が起こるけど、楽しければ耐えられる。
今、コロナで大変な事にはなっているけど、終われば楽しいことが待っていると思えるから
みんな、進んでいけているんだと思っています。
早く、平穏な日々に戻ってほしいですね。
奈緒美ちゃんの演者として楽しんでいるところを、早く生で見たいです。

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